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あらゆるジャンルにおいては、いわゆる第一人者と呼ばれる人がいる。スポーツであれば、日本人メジャーリーガーの第一人者は、野茂英雄氏であろうし、体操界であれば、内村航平選手だ。そして、バレエ界の場合、今は引退し女優業に転身してはいるが、知名度、バレエ界への貢献度から言うと今もなお草刈民代さんであろう。この草刈だが、二度ヌード写真集を出版している。一体何故彼女はヌードになったのか?そして旦那はどういった反応を示したのか?気になる事だらけだが、彼女がヌードになった動機を調べていたら、その裏側にはなんとも言えぬいじらしい理由が隠されていたのだった…
草刈は1965年5月10日生まれの53歳。出身は東京都最大の街、新宿区で、学校は小中高と豊島区の川村学園へと通った。
そして中学生の時に、札幌オリンピックで活躍したフィギュアスケート選手のジャネット・リンに憧れ、小林紀子バレエアカデミーへ入門。これ以降、草刈はまさにバレエだけに心身を注ぐ生活を送ることとなる。
その後、高校へ進み、また同時期にバレエの名門、牧阿佐美バレヱ団へと入団。ただ、このバレエ団は練習に次ぐ練習というとてもハードなスケジュールのため、学業との両立が難しくなり、結局高校は中退してしまう。
こうして完全にバレエ漬けとなった草刈は、その努力と才能が認められ、入団後わずか2年の1983年にデビューを果たすことになる。それから草刈は同バレエ団の看板ダンサーとして活躍し、多くの賞を獲得。名実ともに、日本バレエ界の顔となっていった。
草刈の名が全国に知れ渡ったのは、1996年1月に公開された映画「Shall we ダンス?」への出演だ。草刈はこれが映画初出演であり、初主演でもあったが、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を初め、多くの映画賞を受賞。女優としても認められることとなった。
また、この映画を監督した周防正行さんと同年3月に結婚。これを機に、草刈のバレエ漬け人生は少し変わるかと思われたが、結婚後もバレエに捧げる情熱は収まることはなく、周防との結婚生活もバレエ中心の草刈モードで進んでいくことになる。とにかく、草刈は常に頭の中に「バレエ」があり、食事や洗濯など家事全般を一切しないと言う。普通であれば、旦那は怒って当然なのだが、不思議と周防は草刈に対して何も言わない。
実は草刈は、ヌード写真集を出版している。しかも1冊ではなく2冊。最初のヌード写真集は、草刈が44歳の時のものだ。引き締まったボディは、バレエ引退後も健在で、相変わらずのストイック生活を送っていることを伺わせた。
このヌード写真集「BALLERINE」は、日本のバレエ界をもっと知ってもらうことが目的だと当時草刈はそう語り、さらに「洋服を着てようが、着てまいが、見えてくるものは、中身というか精神性」とし、バレエに全てを捧げた草刈の覚悟が詰め込まれた一冊となった。
そして2冊目のヌード写真集「INTRINSIC」で草刈は、ボンテージや緊縛といったかなり過激なショットに挑んでいる。当時、この一部が週刊現代に掲載され、つまり世に広く知らしめられる事となり、結果、世のお父さん方は喜んだ。この時草刈は47歳。2冊目を出版した理由は「束縛されても負けない。自分らしくあるべき」というもので、50歳間近とは思えない裸体を惜しげもなく晒したのだ。
が、当の周防は前述した結婚時のエピソードのとおり、草刈りを束縛してもいない、実に不思議、というか草刈がヌードになった理由が腑に落ちない。
さて、周防だ。普通、我が女房が「ヌードになる」と言って来たらどういった反応をするだろう。当然、反対するはずだ。しかし周防は何も言わず、草刈の好きなようにさせたのだ。1度目のヌードの際、草刈は山本晋也監督のインタビューに涙を流したというエピソードがある。これまでバレエに捧げてきた人生を振り返り、感極まったということらしいが、本当にそうなのだろうか。
そして、そこから2年半後、今度は「縛られることのない自由さ」を表現したかったと淡々と語る草刈の姿があった。バレエ界のためだろうが、束縛からの解放だろうが、表現方法はもっと他にあるはずだし、結婚している女性がわざわざヌードになることには違和感しかない。
草刈の父は印刷会社の社長をしていて、草刈はそんな裕福な家庭に育った。バレエで成功し、女優としても活躍している。もちろんそこには人一倍の努力があっただろうが、やはり恵まれた下地があったことには違いない。
女性芸能人がヌードになる理由としては、やはりお金であることが多い。そこに「芸術性」だの「必然性」だの様々な理由を付けてはみるが、所詮は後付けの理由で、まずは経済面というのが核心ではないか。しかし、草刈はお金に苦労したことはないはずだ。インスタなどですっぴんを披露することはあっても、ヘアヌードまで披露する必要はない。
ただ、一方でお金が必要な職業もある。そう、映画監督だ。映画を撮るには莫大な資金が必要で、スポンサーから融資してもらえることもあるだろうが、このご時世、それもままならない。家事は実の母に任せているという女房に何も言わない旦那。ヌードになっても何も言わない旦那。言わないのか、言えないのか。第一人者ではなく、あくまでも第三者として、この夫婦について面白おかしく想像してみることは罪だろうか。