主に女性から絶大な支持と信頼を得ている料理研究家という存在。料理は女性にとって日々、格闘しなければいけないものだ。特に献立を決めるのは相当な労力が必要で、一日三食の献立を毎日、という終わりの見えない闘いが続く。そんな終わりの見えない闘いの心強い助っ人に料理研究家がいる。その料理研究家の一人に有元葉子さんという方がいる。彼女は料理レシピはもちろんのこと、キッチングッズをプロデュースしたりと、幅広く活躍している事が多くの女性たちから共感を得ている。こんかはそんな有元のプロフィールや家族、はたまた離婚の真相について詳しく掘り下げてみる。
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有元の実家は福島県会津若松市にある醸造元だ。この400年の歴史を持つ由緒ある家系に生まれた有元は、多趣味の父親と医者の娘である母親の影響を受けながら育ったと言う。有元の家には、いつも近所の人たちが集まり賑やかだったそうで、それをもてなす母親の姿は、幼い有元にとっては誇りであったに違いない。
その有元の母親は、とにかく料理に関して真面目だったそうで、有元はその母親が作る食材と真摯に向き合い、その家族を思いやる手料理をたくさん食べて育った。ただ意外ことに有元自身はその実家在住時には料理を作ったことがないということだ。ただ、料理を作る母親のそばにいて、味見をしたり手伝いをしたりして、料理自体はとても身近なものではあった。
その後、成人した有元は雑誌社の編集の仕事に就き、やがて結婚となるが、仕事がとても忙しく家事がまったくできない状況だったそうだ。そのため、これではいけないとその仕事をきっぱりと辞め、家庭に入り専業主婦となる。そしてこのことこそ、料理研究家としての下地となっていくものであった。
さて、有元の料理の源流として、幼い頃母親が作ってくれた料理がある。この母親の料理に少しでも近づけるようにと、彼女は朝昼晩とキッチンに立つ。そして、有元は気付くのだ。「こんなに楽しいことはない」と。また多趣味で凝り性の父親の影響か、有元もとことん凝ってしまう性質で、一つの料理をとことんまで追求していくと言う。そのため家族は毎日同じものを食べるはめになったこともあったそうだ。そしてそうこうしているうちに、雑誌社から「お寿司を作ってほしい」という依頼があり、子供の頃母親がよく作ってくれた寿司を再現、これが好評で、このことがきっかけで料理研究家として活動していくようになる。
有元は実は離婚している。離婚理由は本人も口を閉ざしているので、あくまでも推測でしかないが、例えば有元本人の仕事が忙しくなったためなのか、また、ご主人がお客をよく自宅へ連れてきたため、その相手をすることに疲れてしまったのか、それは分からない。とにかく、夫婦としてのすれ違いや価値観のズレが原因となったことには違いない。
そして、そのご主人との間には3人の娘がいる。長女のこのみさん、次女のくるみさん、そして三女のめぐみさんだ。このうち長女のこのみは、建築家であり、有元の自宅をデザインした。
有元はイタリアと長野県の野尻湖にも家を持ち、このみはこの野尻湖の別荘も手掛けている。
さて、有元は料理研究家としての顔を持つ一方で、調理器具のプロデュースもしている。料理をする者にとって、道具はとても大切なもの。有元が手掛けたキッチングッズ「ラバーゼ」は機能性を重視しながらも、シンプルで飽きのこないデザインが特徴。レシピと共に多くの女性から支持を得ている。
そして当然の事ながら、有元のレシピはレシピ本としてこれまでに多く販売されている。おすすめの本としては、代表作でもある「ごはんのきほん レシピを見ないで作れるようになりましょう。」や、
「はじめが肝心 有元葉子の「下ごしらえ」 」などがある。
有元の本は、レシピというよりも、食材との向き合い方に比重を置いた、料理をする際の基本的な心構えを教えてくれるのが特徴である。また「有元葉子 私の住まい考:家と暮らしのこと」や「毎日すること。ときどきすること。」などに見られる、日々の暮らし方についての本も多数執筆している。
一年の半分をイタリアで過ごし、日本では料理教室を主催し、キッチングッズをプロデュース。事業家としても多忙な日々を過ごす有元。時間があると野尻湖の別荘でテレビも電話もない贅沢な時を過ごすという。このライフスタイルに憧れる女性は多く、料理研究家としてではなく一人の女性としての生き方をも、一種レシピとして紹介してくれている。残念ながら、私生活では離婚を経験しているが、それでも3人の娘たちは母親の背中を見て生き生きと育っている。有元が母親の姿を見て育ったように、有元の娘たちもまた、有元の輝いた人生を目の当たりにしながら、自分たちの人生を過ごしているのだろう。料理を通じて人生とは何なのかを教えてくれる有元。あくまでも自然体で、シンプルであり続けることこそ「ラバーゼ」、つまり人生の「基本」であるということだろう。